ばあちゃんの四十九日に行ってきた。
じいちゃんがひとりで入っていた墓にばあちゃんも入る。その墓から見える景色がこの写真。
怪物みたいにでかいバッタが採れる河川敷が一望できる。目の前の電信柱が残念だけど、それ以外は高台の良いところ。
この河川敷には貸出しの畑があって、そのひと区画をじいちゃんも借りていた。そこでじいちゃんが育てた落花生をばあちゃんが茹でてくれる。
売物の立派なものとは違い、ところどころ小さい粒の落花生が混じっている。この小粒は皮ごと食べられて、柔らかくジューシーでうまい。とてもいいおやつ。
葬式の時にはじめて2人のなりそめをきいた。
じいちゃんの住んでいる地域では昔、大火事があったそう。遠く隣の隣の町に住んでいたばあちゃんは、以前じいちゃんと会っており、この火事の近くに住んでいることを心配して手紙を書いたそう。
それをじいちゃんはとても喜んで、知り合いに根回しして一緒になったそう。
道楽者のじいちゃんと優しいばあちゃん。どっちも手先が器用で物作りが好きだった。
最期は2人ともボケちゃって、同じ老人施設の違う階で生活していた。孫の顔も子供の顔もわからなくなった2人は、会ってもきっとお互いをわからない。
これからは同じ墓でこの景色を見て過ごす。
死んだらどうなるんだろうね。